SSブログ

フーコーテストの原理 [天体]

フーコーテストの原理を分かりやすく説明するため、頑張ってGIFアニメにしてみた。

スライド2

暗室のような環境光のない状況で、球面鏡の曲率中心Rに点光源を置く。球面の法線はすべてRを通るので、Rから出て鏡に反射した光線はRに戻ってくる。この状態でRの後方から球面鏡を見れば、鏡全体が光って見える。ただし、反射光が漏らさず瞳に入射するように目を十分にR点に近づけなければならない。

入射光と反射光は重なっていて図が煩雑になるので、以降は反射光だけを図にする。

in-focus中心Rより少し鏡面寄りの位置に左からナイフを差し込み光束を遮ると、鏡の左側で反射した光が遮られるので、鏡の左側から暗くなる。

on-focusナイフエをRの位置に差し込むと、すべての光束を一点で切ることになり、全面が一度に暗くなる。(現実には鏡の曲率半径は場所によってばらつきがあるので一度に暗くはならず、まだらに暗くなる。ナイフエッヂの微細な凹凸も影の様子に影響する。)

out-focus

中心Rより少し離れた位置に左からナイフを差し込み光束を遮ると、鏡の右側で反射した光が遮られるので、鏡の右側から暗くなる。

moving-foucus

ナイフを中央まで差し込んでおいて、Rの奥から手前に向かって光軸に沿って動かすと、初めは鏡の左側が暗くなり、Rを過ぎると反転する。

このように明暗が反転する位置を探すことにより、正確なR(曲率中心)の位置を求めることができるのがフーコーテスタの原理である。

さて、反射鏡が放物面の場合、外周に向かって曲率半径は徐々に長くなる。話を簡単にするために、反射面の内側の曲率半径がRで、外側はそれより少し長いとする。

paraboloid

ナイフエッヂを左側から切り込んでおいて、Rの奥から手前に向かって光軸に沿って動かすと、初めは左側が陰になるが、ナイフエッヂがRのところで中央部が一瞬暗くなって反転し、さらにナイフエッヂを遠ざけると外周部が一瞬暗くなって反転する。

明暗が反転するところのナイフエッヂの位置を読み取ることで、各ゾーンの曲率中心の位置(の差)を求めることができる。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。