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極軸望遠鏡の光軸合わせのつもりが [天体]

昨夜PHD Guidingのパラメータを調整していて、極軸のずれが気になった。電柱の先端を極軸望遠鏡に導入して極軸を回してみると、レチクルの中心が視野の中で回っている。(下の写真は極軸を90度づつ回しって撮った写真を電柱合わせで加算平均したもの)

極望

これは光軸が合っていないのではないかと思って、極軸望遠鏡を取り外してみた。
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イモねじが11個もあるが、どれが光軸調整用か分からない。仕組みを知るため分解してみた。
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仕組みはなんとなく理解できたが光軸調整の仕掛けが見当たらない。SX極軸望遠鏡は赤径軸にねじ込むだけで光軸を出すようになっているようだ。ならば何が狂っているのか。極軸望遠鏡をねじ込むところをいじっていたら、極軸を南側から止めているナット(左下の写真の黒い部品)が緩んでいることに気が付いた。手で簡単に回ってしまう。これを外すと赤径軸がずっぽり抜けてしまった。SX赤道義の極軸はベアリング無しでグリスを塗ったアルミの筒が擦れあっているだけだ。
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これが緩んでいたので極軸にガタがあり、軸の北側の重さでオジギをしていたようだ。がっちり締めこんで緩み止めのイモねじもきっちり締めておいた。

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極軸望遠鏡を元通り組み立てて、東経135度の2003年11月1日の午前0時に北極星が南中するようにレチクルを調整した。目盛環がぐるぐる動いてしまうのでこの作業はかなり面倒。よく考えれば手順を固定できそうだが、行ったり来たりしながらなんとか視野の中心にレチクルのセンターを合わせることができた。結局調整に必要なのはレチクルのセンターを合わせる3本のイモねじと緯度差補正の目盛環だけである。

さて、うまくい行ったかどうか。今宵は雲が垂れ込めて北極星が見えないので結果はお預け。


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PHD Guidingのパラメータ調整 [天体]

先日赤道義のギアの噛み合わせを調整したので、今まで適当に設定して何となく動作していたPHD Guidingのパラメータをちゃんと追い込んでみた。PHD Guidingのversionは1.14.00、機材は

  • 赤道義: Vixen SXW赤道義
  • 鏡筒:    Vixen R200SS
  • オフアキシスガイドアダプタ: OAG9
  • オートガイダー: 三基光学館 Lodestar改

Starbookの設定は経験的に

  • オートガイダー タイプ:STD, RA:15, Dec 15
  • バックラッシュ補正 RA:10、Dec 10

とした。

ガイド周期(exposure duration)は4秒、鏡筒の向きはガイドの性能が一番影響する天の赤道付近。仰角はベランダの屋根の限界の50度ぐらいとした。まずはDisable guide outputにチェックを入れてperiodic motionと極軸のずれを確認する。
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いつものようにベランダに設置していつものように極軸を合わせたのだがかなりずれている。SXW赤道義のウォームホイールの歯数は180なのでグラフ横軸の8分がperiodic motionの周期に相当する。グラフの青線が赤経(RA: Right Ascention)で、大きく波打ちながらグラフをはみ出したのでperiodic motionの全容は見られないが、8分より短い周期の揺らぎがあることが分かる。赤線が赤緯(Declination)で、細かく揺れながら上にずれていく。本来なら一直線にずれていくはずだが、この細かな揺れは鏡筒の振動やガイド星の揺らぎによるものだろう。この振幅(±約0.5ピクセル)がガイドの限界ということだろう。

次にPHD Guidingのパラメータをいったんdefaultに戻してcaribrationを行い、ガイドを実行してみる。
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赤経(青線)方向はperiodic motionが抑え込まれて水平になった。しかしながらRMS値は0.94で約1ピクセルぐらい上下に振動している。オートガイドの応答が急すぎると思われる。赤緯(Dec/赤線)方向はいったん無視して赤径(RA/青線)を追い込むことにする。

応答が急すぎるかもしれないということで、RA Aggressivenessを100から80に下げてみた。
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このパラメータはフレーム毎の計算結果から計算された補正量を100%として、実際に出力する補正量を小さめにするためにある。80%にするということは2割引きで補正するということだ。結果、RMS値は0.84となった。少しぎくしゃくが小さくなったようだがこのパラメータの効果かどうかよくわからない。

PHD GuidingにはRA Hysteresisという、ぎくしゃくを取り除くためのパラメータがもう一つある。そこでこのパラメータを10から20に増やしてみる。
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結果、RSM値は0.84であまり変化なし。このパラメータはシーイングや鏡筒のバランスなどに起因する細かなエラーに反応し過ぎないよう、に補正量を数フレーム前からの履歴に基づいて平滑化するということのようだ。単位は%らしいがどのようなアルゴリズムなのかはマニュアルからは分からなかった。

次に赤緯(Dec/赤線)方向の追い込み。明らかに補正量が足らず極軸のずれに追いつけないようなので、Max Dec durationをdefaultの100msから一気に1000msに増やしてみた。5-1
極軸がかなりずれていたのでこのぐらいの補正量が必要なようだ。特にぎくしゃくは見られないのでよいだろう。赤経(RA/青線)方向は何もいじっていないのにRMS値が0.69に減っている。シーイングの変化等でこのぐらいは変動するということだろう。

おそらくこの状態が最適値と思われるが、実験を継続。

RA Aggressivenessを60まで下げたらどうなるか。
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結果RMS値は084。青線のグラフはところどころ1ピクセル以上ずれている。periodic motionの変動が最大のところが吸収しきれないようだ。やはりこれは80ぐらいが適当のようだ。

ためしにRA  Hysteresisを0にしてみる。つまり過去の履歴を考慮せず、前フレームと現フレームの差だけでガイド量を産出するということ。
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RMS値は1.12に悪化した。やはりこれは0ではだめで、20程度が良いようだ。赤緯(Dec/赤線)方向が大きく下にずれて跳ね返っているが、直前に鏡筒の向きを変えて(仰角をあげて)ガイド星を探しなおしたので、赤緯軸のバックラッシュの影響が出たと思われる。

赤緯軸のバックラッシュの影響を避けるために、鏡筒のバランスを崩してみた。具体的には鏡筒を前にずらして赤緯軸に南向き(Dec-)方向の荷重がかかるようにした。9-1
赤緯(Dec/赤線)が大きく暴れることはなくなったが、これが本当にバランスを崩したことの効果かよくわからない。

紹興酒をちびちびやりながら実験繰り返して酔いが回ってきたので今宵はこれまで。それにしても極軸合わせのずれが気になる。極軸望遠鏡の向きはあっているのだろうか。次回の課題ということで。


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天体撮影機材の調整(2) [天体]

赤道儀のガタをなんとかしたいのでSXWを分解してみた。参考にしたのはSTARBOOK.jpSX赤道儀/メンテナンスのページ。

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ウェイト軸のカバーを外し、両サイドのカバーを外してネジ4本外せば制御盤のパネルが外れる。
IMG_5730赤緯体をゆすってガタの発生個所を探すと、やはりこの赤経ウォームギアのかみ合わせが緩いようだ。
IMG_5731モーターを外すとウォームの押し引きねじにアクセスできる。手で回せる程度に少し近づけてみた。
IMG_5734モーターの平ギアにグリスが塗ってなかったのでモリブデングリスを薄く塗る。このグリスは-20℃まで使えるもの。
この状態で電源を入れてモータを正転逆転させてみるとバックラッシュ補正の動きが分かった。STARBOOKのカーソルキーを同じ方向に連打するとモーターのギアは一定量で動いていくが、反対方向のキーを押すと一回だけ多めに逆転してバックラッシュを吸収する。この量をウォームが回らない程度に小さく、2回目を押したときにはウォームが動く程度に大きくすればよいということだろう。赤径赤緯とも調整しておいた。

組み立てたところ赤径軸のガタは少なくなったもののまだ残っていた。もう少しつめたほうがよいかもしれないがとりあえずこれでガイドの精度に変化があるか試してみたい。晴れますように。


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美ヶ原で天体撮影(2) [天体]

昨夜に続いて連続遠征。

昨夜はロンキーテストを金星で試したのだが面積のある惑星ではだめではないかと思い直してベガでやってみた。案の定、縞模様がくっきりした。星像が二重になるような欠陥があるとは思えない。一安心。

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月没は00:30ごろ。それまでガイドパラメータの調整などして待つ。昨夜ほど冷え込まないが風が少しあるので寒い。

M45-2
★M45 すばる
2013/10/14 00:24, R200SS(φ200mm F4), Coma Corrector 3, LPS-P2, Vixen SXW Mount, Lodestar Autoguider with PHD Guiding, NEX-5(IR modified), ISO-800, 4min x 8

風が強くなって鏡筒が振動してしまうので広角星野撮影に作戦変更。バラとエンゼルフィッシュとバーナードループを狙う。

New2
★オリオン座付近
2013/10/14 01:46, Samyang 1.4/35mm (F4), LPS-P2, Vixen SXW Mount, NEX-5(IR modified), ISO-800x4minx3枚+ISO-3200x4minx8枚+ISO-3200(SC64)x4minx5枚, 総露出64分

そういえば昨日アイソン彗星を標準ズーム200mmの固定撮影で狙ってみたが30秒では写らなかった。ステラナビゲータの同時刻の図と並べてみると写っているような気もするが。DSC05465ISON

2夜連続で美ヶ原で天体撮影して見えた課題

  • 赤道儀のガタを修正すべし。
  • テレビュー5Xバロー装着時のガイドをどうするか。
  • PHD Guideのキャリブレーションが北にずれたまま終わってしまうのはなぜか。
  • Starbookのバックラッシュ補正はどう設定すべきか。
  • 光軸修正用の自作レーザーコリメータはガタがあるので作り直したい。
  • ファインダーの暗視野照明が眩しすぎる。

やることは尽きないなあ。


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天体撮影機材の調整(1) [天体]

明け方に山から戻ってひと眠りして飯食って温泉つかったら機材のメンテ。

昨夜星像が歪んでしまったのは主鏡にストレスがかかっているのではなかろうか。R200SSの主鏡を取り外してみた。鏡は三方からコルクを挟んだ真鍮板で横方向から押さえてあった。鏡がガタつかない程度にねじを緩めてみた。果たして効果があるかどうか。
DSC06937DSC06939

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主鏡を鏡筒に戻して光軸調整。ほとんどずれることなくセンターマークにレーザーが当たった。
もうひとつ赤道儀のガタ。赤緯のクランプをしっかり締めても鏡筒をゆするとガタガタする。赤緯の取り付け部をみるとカニ目ナットが緩んでいた。手で回ってしまう。はずしたらベアリングだった。これはいけない。あわてて戻してコンパスをカニ目回しの代わりにしてしっかり締めておいた。

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さあこれで再挑戦だ。


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美ヶ原で天体撮影(1) [天体]

10/12(土)は夜半から晴れそうなので星を撮りに標高2000mへ。

2013-10-19T15-15-08-2d912アパートの3階から天体撮影道具を運び出すのにいつも階段4往復ぐらいしている。体重計でひとつづつ測ってみたら、合計約50kgだった。星屋さんの装備としては軽いほうなんだと思うがやっぱり重い。

美ヶ原はところどころ紅葉が始まっていた。
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月が明るいうちは機材のテスト。なずな工作室さんから借用しているロンキーテストアイピースでR200SSの主鏡の具合を見ようと金星を導入してみたが縞模様がはっきりしない。iPhoneでのコリメート撮影はとても難しい。
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まだちょっと月が明るいがアンドロメダ星雲を撮ってみる。
M31-3fts
★M31 アンドロメダ銀河
2013/10/12 22:17, R200SS(φ200mm F4), Coma Corrector 3, LPS-P2, Vixen SXW Mount, Lodestar Autoguider with PHD Guiding, NEX-5(IR modified), ISO-800, 4min x 7

やがて月が松本平の夜景の向こうに沈んでいった。IMG_5697

テレビュー5倍バローを接眼部に撮りつけて登ってきた木星を狙ってみたが木星は意外と小さかった。焦点距離4600mm相当でもこんなものなのか。それにしても解像度が悪い。木星の衛星でピントを合わせようとするが像が二重になってしまう。夜半過ぎて気温がぐっと下がって夜露が凍り始めた。どうやら急な冷え込みで主鏡にストレスがかかっているようだ。

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この後4時過ぎまで粘ったが、赤道儀のガタが激しくガイドが判定せず成果なし。道具を調整して出直しだ。


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テレビュー パワーメイト5X の画角 [天体]

このところ天気に恵まれず天体撮影できないでいるが、そういう時は機材をいじる。8月にアマゾンでポチったもののほとんど使えていないTeleVue  Powermate 5Xの画角の確認。

まずはR200SS(焦点距離800mm)とNEX-5での直焦点の画角。
IMG_5656直焦

次に直進ヘリコイドSにPowermateを装着。Powermateの接眼スリーブを取り外して、拡大撮影アダプタの部品を使ってNEXを接続。この状態でピントが出ることが分かった。鉄塔の先端の避雷針の幅を測って倍率を計算したところ5.7倍。焦点距離に換算して4600mmだった。
IMG_5657x5

バローレンズの後ろの距離を伸ばすと倍率が変わるだろうと思って拡大アダプタの延長筒を1段足してみた。倍率は6.7倍、焦点距離5400mmとなった。
IMG_5658x5 1

さらにもう一段足してみたところ、倍率は7.4倍、焦点距離5900mmとなった。直進ヘリコイドSにはこれは重すぎるようでピントリングがスムーズに回らない。
IMG_5659x5 2

それぞれを同じ画角になるようにトリミングしてみると、powermateの効果は歴然、ただし延長筒を足して倍率を挙げても解像度はあまり変わらないようだ。

直焦trim直焦点
x5trimPowermate5X

 


x5 1trim

Powermate5X
+延長筒1段


x5 2trimPowermate5X
+延長筒2段



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いるか座新星2013 [天体]

8/14に板垣公一さんがいるか座に新星を発見したとのこと。今日は月が明るいが6等級なら写るのではないかと東に昇ってきたいるか座を雲間から撮影。それらしきものが写っていたので、8/12にペルセウス座流星群を撮ったときのコマを使ってアニメーションGIFにしてみた。場所が分かっていても画角が違う画像をぴったり重ねるのはとても大変。板垣さんはどうやって新星を探してるんだろう。

いるか座新星2013


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ペルセウス座流星群2013 [天体]

月が沈むのを待って撮影対象を流星群へ。NEX-5で固定撮影。レンズはE16mmにフィッシュアイコンバータVCL-ECF1を装着。ISO-6400に設定し露出は15秒でメカニカルなレリーズでシャッターを固定し、連続撮影。22:07~24:43の間に339枚撮影したが、22:30過ぎから気温が下がって結露が激しくカメラもレンズもびしょびしょ。拭いても拭いても1分ぐらいですぐ曇るので後半面倒になり、ボケた写真ばかり。運よく拭いた直後に流れたのは下記の2枚のみ。

DSC04919'
★2013/08/12 22:17

DSC05182'
★2013/08/12 24:07

眼視では10個ほど確認できた。23:18頃に痕が残るような大きなものが見られたが、結露に阻まれてカメラには写らなかった。その後はガスったり晴れたりであまり活発な活動はみられず。


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スピカ食と土星撮影 [天体]

今年のペルセウス座流星群極大日は月明かりの無い絶好のコンディション。ペルセの前にやることがあるのでまだ明るいうちから美ヶ原高原に登って設営開始。まずはR200SSの直焦点にWebカメラをセットしスピカ食を狙う。夕やみ迫る中、月の周りにスピカを探したが見当たらない。そんな馬鹿なと思ったが、時刻は19:00を過ぎていてスピカは既に月に隠れていた。
このあたりから出てくるはずと、画角をセットして動画撮影開始。極軸を正確に合わせていないので徐々に画角を外れていってしまうのを追いかけながら待つこと数分、19:20頃ぽこっと月面が膨れてスピカが顔を出した。

 

続いて土星に望遠鏡を向ける。

 

直焦点ではこの程度の大きさにしか写らないので、パワーメイトのテレビュー5xを装着。

 

慎重にピントを合わせたが、西の低空にかすむ土星はこれが精一杯。今シーズンもカッシーニの間隙は撮れずじまいか。


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